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LOVEオーダーメイド

Posted by ユウ on 27.2011 0 comments 0 trackback
「……むむぅ」
「さっきからこっち見ては変な声あげてるけど、どうしたの」
「……」
質問にも答えず、美希はただじっと律子の方へと眉間にしわを寄せて視線を投げかけている。
先程からずっとこれである。
普段はきゃっきゃと明るくそこら中に明るい空気を振りまきながら歩いているか、止まっているときは寝ているかという彼女が動かず、ずっと視線を投げかけるだけ。
そんな様子のおかしい美希の姿が、気になってしょうがない。
おかげで仕事の効率も五割減である。
プロデューサー業という仕事に転向して、アイドルをしていた頃とまた別の忙しさに身を苛まされている今日この頃。
この調子では竜宮小町の仕事にまで営業がでかねない。
「美希?」
少し威嚇するように、怒気を込めて名前を呼んでみる。
いつもなら呆、と魂が抜けたように中空を見つめている時にも、ど、どうしたの!? ミキ何もしてないよ? と慌てながら返答するというのに。
調子が出ない。
律子の中に徐々に徐々に溜まっていく違和感が、今にも爆発しそうになっている。
やはり美希は、明るくあるべきなのだ。
そう決意した律子は、だから今度こそ美希をこちら側へ連れ戻すために、丸めた資料でぽこぽこと頭を叩きながら。
「美希!」
事務所内に響き渡る大声で、名前を呼んだ。
ようやく美希の目が、律子を捕える。
「どうしたの、律子」
「律子さんでしょう」
「……さん」
ようやく、普段の調子に戻った美希に律子が胸をなでおろす。
しかしまだ美希は、難しい顔をしていて。
もしや本気で何かに悩んでいるのだろうか―――。
ふと律子の頭に、そんな考えが思い浮かぶ。
明るい表情ばかりで、なにも悩みなんてないと思っていた美希に、まさか重大な事件が?
心臓が急に跳ね上がる。
もしや何かアイドル業で大事故でも、と悪い考えが次々に頭に浮かんでくる。
「ねえ、律子……さん」
「な、なあに?」
美希の声に、どきりとする。
だが、律子の心配とは裏腹に美希が発した言葉は。
「たまにはスーツ以外も着ればいいと思うの」
「はぁ?」
そんな、予想外のものであった。
思わず律子の口から素っ頓狂な声が漏れる。
「あんたは、何言ってるの」
「アイドルをしてた時は色んな服を着て、色んな律子が見れて楽しかったのに、最近はスーツばっかりでつまんないの!」
「もしかして、さっきからずっとそんな事を……?」
考えていたのか。と呆れが飽和状態になっている声をようやく絞り出す。
そんな律子とは裏腹に、美希は自信満々にうん。と胸を張って答えた。
キリキリと、頭が痛む。
さっきまで真面目に悩んでいた自分がバカみたいだ。
「あのねえ、今はプロデューサー業でいろいろと人と会う事が多いの。スーツを着るのは当たり前でしょうが」
「でも今日は日曜日だよ?」
「アイドル業に休日なんてないの」
特に今の律子には、竜宮小町という自分の同期であり友人である三人のアイドルを預かっている手前もある。
彼女らをトップに立たせるためには、一日も惜しい。
「つまんない……」
「仕方ないでしょ、仕事なんだから。ほら、美希もさっさとレッスンにでも行ってきなさい」
「今日はお休みなのー」
なら何故事務所にいるのだ。
眼前の今日はオフだとのたまう彼女は、ただ何もせずにだらだらとしているだけである。
暇、なのだろうか。
仕方なしに美希から視線を外し、気にすまいと自己暗示をかけて仕事を始めるも、ちくちくと何か訴えたげな視線が背中に刺さる。
つまんないというオーラが、肌で伝わる。
初めは涼しい顔をして仕事に集中していた律子も、十分、三十分と時が経つごとにその視線にイライラとし始めた。
美希が気になって、仕事に集中できない。
そして一時間が経った頃。
「あー! もう!」
ついに律子の苛立ちは、頂点に達した。
くるりと視線を再びロックオンした律子を見て、美希の表情が華やぐ。
「今日だけよ」
「えー」
「今日だけ、あんたの言う通りの衣装を着てあげるから我慢しなさい」
「せめて一ヶ月に一回くらいはしてもいいって思うな」
ぶう、と不機嫌そうな顔で文句を垂れる美希を思い切り睨む。
怒りがもろに顔に出たのか、律子の表情を見た美希が少し青ざめた。
「わ、解ったの律子」
「さん」
「律子……さん。今日だけで我慢するの」
その代わり、と美希が小指だけ立てて。
「何でも着るって、約束なの」
ニヤリと、悪魔のような微笑みでそう言った。

律子は、あまり派手な服は着ない。
それは自分のスタイルについて低評価であったり、周囲のアイドルとして輝く友人たちを見ているからかもしれない。
かといって、アイドル時代にはそれこそ色々な衣装や水着で衆人観衆の目に身をさらしていたりしていたわけで。
決して着ることができない訳ではない
「でもね……」
「律子……さん、何か言った?」
「これはちょっと……」
試着室の中で悶える。
あの後美希に半ば強引にオシャレな店へと連れてこられ、現在に至る。
これなんか律子にぴったりなの! と輝きに満ち満ちた目で衣装を選ぶことおよそ二時間。
さすが美希と言うべきか、選ばれた衣装はそれはもうかわいいものであった。
律子のイメージカラーである緑をふんだんに使った衣装。
だけれど、いざ着てみれば。
「これはちょっと私には……」
臍に、ふとももや肩といろいろ丸出しな、ラフな衣装。
「律子ーまだー?」
カーテンを隔てた向こうで、美希が呼んでいる。
もはやさん付けしなさいと怒る余裕もない。
何故水着は大丈夫で、この衣装は恥ずかしいのか。
それは解らないのだが、何故だかカーテンの向こう側に出るのが躊躇われる。
と、自らが映った鏡を見つつ恥ずかしさに悶えていると、突如カーテンが開かれた。
ぎょっとして振り返れば、美希が思い切りカーテンを開けていた。
「あ、あ、あ、あ、あんた」
「なんだ、もう着てるの」
口をパクパクと動かすも、声が出てこない。
ジロジロと美希の目が、律子の全身を舐めまわすように動く。
「み、美希。これはやっぱり……」
「やっぱり、ミキの目に狂いはなかったの!」
太陽のような明るい笑顔で、彼女は。
「律子、とってもかわいいの!」
それは一点も嘘偽りない、彼女の心の底からだとはっきり解る声で。
だからこそ、律子は今まで以上にその顔を真っ赤に染めてしまうのだった。
「ね、ね。この服はミキから律子さんにプレゼントするから、たまに着て? せっかく律子かわいいんだから、こんな服をいっぱい着ないともったいないの!」
うきうきと、実に楽しそうに彼女は言う。
「……たまになら、ね」
その表情に押されて、つい約束をしてしまう。
今日だけの約束のはずなのに。
でも、いいか。
せっかくの彼女のプレゼントなのだから。

―――――――――――――――――――――――――――――

MA2のりっちゃんの衣装があまりにもかわいくて、つい
美希があの衣装をプレゼント。そしてなんだかんだでそれがジャケに使われちゃうという妄想!
みきりつ!


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